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ネットとリアルを繋ぐインフラへの可能性 ~Twitter社会論より~

以前の記事で、Twitterのコミュニティ・ツールとしての可能性はこれまでのインターネット・ツールとそう大きく変わらないであろうことは書いた。AKB48に代表されるような有名人が続々とTwitterに参戦したり、Amebaなうがスタートしたりして、Twitterという存在がメジャーになればなるほど、(今いる)多くの人間にとって居心地の良いコミュニティとしてのTwitterは縮小に向かわざるを得ないだろう。@worstmanがTwitter界から引退したりしたのは、わりと象徴的な出来事だったのかもしれない。まあでも、そりゃどんなコミュニティだって通る道なわけで、Twitterも例外で無かったというだけでしかない。

しかし、敢えて前回書かなかったTwitterのもう一つのインパクトについてしっかりと言及しておきたいと思う。Twitterがもたらした、そしてこれからもたらすであろうイノベーションの本質は、むしろこちらの面にあると言っても過言ではないだろう。それは、Twitterがネットとリアルを密に連結させる新しいインフラになり得るという事である。


ちなみに、とっても参考になるのが我らが津田大介が著「Twitter社会論」である。数あるTwitter本の中でも、Twitterのメディア的特性に着目した数少ない名著である。未読であれば、ぜひ一読をおすすめする。

【書評】『Twitter社会論』:シロクマ日報:ITmedia オルタナティブ・ブログ

『Twitter 社会論』を読む — Baldanders.info

ハイコストパフォーマンスな『Twitter社会論』 – No Hedge!

とりあえず、さらっとTwitter社会論の書評でも並べてみるw どの書評も特徴的なのは、この本がTwitterの入門的な本ではなく、その社会的インパクトについて触れた本であることに言及している点だろう。そう、Twiiterの本質的なインパクトとは、新しいコミュニティとしての可能性でもなく、その緩く独特なコミュニケーション・スタイルでもなく、メディアとしての特性が持つ新しい社会インフラとしての可能性にあるのだ。そしてその特性とは、まさに津田さんが著書で述べている「リアルタイム性」と「属人性の高さ」、そして「オープン性」に他ならない。

Twitterの「リアルタイム性」は、インターネットの情報発信に今まで無かったリアルタイムという時間軸を取り入れることに成功した。これによって、時間軸的に(他メディアと比べて)比較的静的であったWebは一気に、「今なにをしているか?」と言った現実時間と直結した情報を伝えるインフラに変化した。そしてこのスピード感、現実とのリアル感は既存のメディアを圧倒的に上回る。

そしてその「属人性の高さ」は、情報源の信頼性と密接に結びつくと同時に、本人そのものというリアルにも結びついた情報となる。一つの固有IDの元に情報が蓄積されていくTwitterでは、その蓄積された「つぶやき」はまさにその個人そのものを指しており、その人格そのものを表すと言っても過言ではないだろう。ブログよりもつぶやき内容が、より日常に近い内容であるが故に、尚のこと個人とのリンクは強くなる。結果的に、Twitterに置いてはこれまでないがしろにされがちだった個人の属性や過去の発言経歴がさらに強く意識されることになる(ただし、それがネット上でのみのものという事もあり得る)。現実社会の有名人や芸能人が多くTwitterに参入し、そこで多くのフォロワーを集めるのも必然と言えよう。

そして最後の「オープン性」。これはまったく持って技術的な特徴だが、このオープン性によってTwitterは、自らはそのシンプルなインフラとしてのスタイルを貫きながら、多くの他の情報サービスとの連携を実現することに成功した。多くの専用アプリケーションだけでなく、Twitterと連携した画像投稿サービスの登場、Ustream等の動画配信サービスとの連携、ハッシュタッグによる疑似チャット的機能の提供等々・・・これらはシンプルでオープンであるが故に実現できた機能であると言っても良い。そしてこの特性によって、Twitter自身は単なる140字の文字情報に過ぎなくとも、そこを媒介にして様々な情報が流れる基盤となることに成功したとも言えるのだ。

で、結果的に何が起こったのか。Twitter上には、次々と現実が文字化され、画像化され、映像化されあふれ出すことになった。そう、まさにネット上に「現実」を「リアルタイム」に映し出すような新しいインフラが誕生することに繋がったのだ。そして、今後この方向性は加速こそすれ、衰えることはないだろう。先日iPhoneからUstreamのビデオ配信が可能になるというニュースが発表されたが、こういったサービスがドンドン出てきて、Twitterと連携しながら多くの「個人」が自分の「リアル」を「ダダ漏れ」するという現実がまさに到来しつつある。これは、これまでのインターネットやWebといった概念、情報流通の可能性を大きく拡張する動きに他ならない。Twitterは、ネット上にリアルを映し出す新しい社会インフラとしての高い可能性を内包しているのだ。

しかし一方で非常に気をつけなければいけないことがある。それは、これまで「ネット上に閉じていた世界」から、「リアルと密接に紐付いた世界」にネットが移行する中にあってはリアル社会との軋轢は避けられないという事だ。実際の所、日常をつぶやいたり、写真や映像をダダ漏れすることはプライバシーの流出に他ならない。これが自分で認識してやっているだけならまだしも、他人や講演の内容などを勝手にネット上に流出させることになった場合は、大きな問題になる可能性がある。また、本人にその気はなくとも、ネットに流出した情報だけで容易に個人特定が出来たり、その人の今いる場所や状況が知れたりすることは犯罪に利用される可能性すらある。こういった、リアル社会と融合する上での軋轢をどのように乗り越えていくかが、次のネットに求められる課題なのではないだろうか。

逆説的に言うなれば、Twitterの登場とそれに伴うネットとリアルの融合が進むことによって、良くも悪くもネットがネットの世界だけで完結できていた牧歌的な世界は終わりを告げた。これからは、ネットのあらゆるサービスや情報が、現実世界といかに折り合いをつけながら利用されていくのかという視点が、極めて重要になる。そう、現実世界の側にどう摩擦なくネットを受け入れてもらっていくのか、それを真剣に考え、そして取り組んでいく必要性が問われる時代に入ってきたと言えるだろう。

でまあ、補足だが、こんな風になんか高尚っぽいことを考えなくても、Twiiter社会論は楽しく読めますw 特に最後の勝間和代さんとの対談はかなり面白いですので、参考にしてくだしあw

『Twitter社会論』についてボクが知っていること – 三十路でアニメ

・・・あー、久しぶりに長文書いたわ。疲れたw

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津田大介「Twitter社会論」【件のことも含めて追記あり】

Twitter社会論 ~新たなリアルタイム・ウェブの潮流 (新書y)作者: 津田 大介出版社/メーカー: 洋泉社発売日: 2009/11/06メディア: 新書 【お断り】この本に関するブログエントリーは2009-12-27 00:00:…

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